金沢大学の国際貢献がフィレンツェ史に刻まれた日
 サンタ・クローチェ教会大礼拝堂 壁画修復完成記念式典【ヴェッキオ宮殿】  

 6月6日、イタリア・フィレンツェ市の主催で、金沢大学の国際貢献事業「サンタ・クローチェ教会大礼拝堂の壁画修復プロジェクト」の完成を記念した式典に、本学の関係者が出席し、フィレンツェ市長らの謝辞を受けました。

市長から「フィレンツェの百合(金)」章を授与される宮下教授
フィレンツェ市長と笑顔で握手を交わす宮下教授

 初めに、マッテオ・レンツィ市長がプロジェクトの完成を祝してあいさつし、「金沢大学がイタリアと協力しながらこのような大プロジェクトを遂行してくれたことは、今日、私の手でフィレンツェ史にしっかりと刻まれる」と感謝の意を述べました。続いて、サンタ・クローチェ教会財産管理部ステファーニア・フスカーニ代表、 サンタ・クローチェ教会マルカントニオ神父、国立フィレンツェ修復研究所クリスティーナ・アチディーニ所長から、日本の関係者に対する感謝の言葉がありました。その後、マッテオ・レンツィ市長から中村学長に「フィレンツェの百合(銀)」章、宮下教授に「フィレンツェの百合(金)」章が授与されました。
 このセレモニーの後、フィレンツェ市の準備した茶話会で和やかに交流を深め、関係者一同は隣接したウーフィッツィ美術館を見学。さらに建物の外へ出ることなく、「ヴァザーリの廊下」を通ってアルノ川対岸のピッティ宮殿へ抜けるという、当時のメディチ家一門にしか許されていなかったルートを特別に案内されました。

受賞する中村学長 受賞する宮下教授 マッテオ・レンツィ市長

 市長挨拶の要旨

 フィレンツェがルネサンスから5世紀を経て、今なお美しく輝いているのは、大きな災害に見舞われなかったからではない。実際には多くの災害にも見舞われ、時の流れに逆らって必死で生き延びている。世界の皆さんがこの町を愛し、共通の財産として、保存や維持のために温かい援助の手をさしのべてくれなければ、この美しさを後世に伝えていくことはできないだろう。ひとりの美術愛好家の夢と意思を尊重し、金沢大学がイタリアと協力しながらこのような大プロジェクトを遂行してくれたことは、今日、私の手でフィレンツェ史にしっかりと刻まれる。


その他の関連記事
サンタ・クローチェ教会主催 式典の記事へ
関係者による修復ラボ視察の記事へ