1.「南イタリア中世壁画群診断調査プロジェクト」予備調査の結果報告

S.Vito Vecchio01

 11月22日「南イタリア中世壁画群診断調査プロジェクト」予備調査の結果報告を行いました。

 この度、南イタリア中世壁画群診断調査プロジェクトにおいて、予備調査を行い、その結果として第1回調査地の決定した。
 以下報告資料より抜粋

(1)平成22年9月に2回の予備調査を実施
 第1回目:南イタリアのプーリア州を中心に国立フィレンツェ修復研究所所長、壁画部長、修復士、モリーゼ大学の研究者、現地の市文化担当者とグラビーナ・イン・プーリアを中心に予備調査を実施した。
 第2回目:プーリア州文化財監督局長のファブリーツィオ・ボーナ氏等が同行し、本プロジェクトで調査する対象壁画を選定するため、プーリア州各地から希望のあった対象壁画を約20か所調査した。

(2)第1回(平成23年9月)調査地の決定
 予備調査をもとに同修復研究所と協議の結果、平成23年度からイタリア側研究チームと本学が共同して本格的調査を開始する地域は、プーリア州「グラビーナ・イン・プーリア」及び南端の「ポッジャルド(ヴァステ)」の2か所に決定した。

2. 「日伊教育研究連携事業」壁画実習報告

S.Vito Vecchio01

 同日「日伊教育研究連携事業」としての壁画実習の報告を行いました。
  ⇒講義・実習指導紹介のページへ

 「日伊教育研究連携事業」として、フレスコ壁画研究センターは国立フィレンツェ修復研究所のマリアローザ・ランフランキ主任修復士を本学に招へいし、人間社会学域人文学類フィールド文化学及び学校教育学類美術教育、理工学域環境デザイン学系学生などを対象に講義及び学生実習指導を行った。
 以下報告資料より抜粋

 今回の実習の目的:フレスコ壁画の剥がし技法である2種のストラッポ法とスタッコ法の違いによって、壁画描画層はどこまで忠実に保存できるかを実験する。

@絵画担当の大村雅章教授が『聖十字架物語』(サンタ・クローチェ教会大礼拝堂)の一部を、これまでの材料・技法研究を活かして、原寸大で忠実に3点同時に模写。3点同時に制作するのは...(略)

A2種の剥がし技法:
(A)ストラッポ法(strappo):最上層の描画面のみを薄く引き剥がす技法。
(B)スタッコ法(stacco):下塗り漆喰(アッリッチョ)と上塗り漆喰(イントーナコ)の層間で剥がす技法。

【PDFファイル】記者発表2010.11.22資料

調査対象地:San Vito Vecchio  Gravina in Puglia


調査対象地:Cripta dei SS.Stefani  Poggiardo(Vaste)


壁画実習風景