イタリア国立フィレンツェ修復研究所専任修復士を招き
「日伊文化財協力事業ワークショップ」を奈良で開催
フレスコ壁画研究センターは、11月21日、22日の２日間にわたり、文化庁と連携して「日伊文化財協力事業ワークショップ」を国立文化財機構奈良文化財研究所等で開催しました。
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| 奈良文化財研究所にて意見交換 |
2011年1月のフィレンツェに続き、今回は日本でのワークショップ開催です。
ワークショップには、イタリア国立フィレンツェ修復研究所のファブリーツィオ・バンディーニ専任修復士、金沢大学フレスコ壁画研究センター長の宮下孝晴教授をはじめ研究員3名が参加。文化庁側からは、文化財部古墳壁画室建石、宇田川両調査官、奈良文化財研究所から髙妻保存修復科学研究室長、降幡主任研究員等が参加しました。
はじめに金沢大学の宮下教授から、本年9月に南イタリア中世壁画群の調査報告としてプーリア州の洞窟教会4カ所で実施された壁画診断とデジタル記録の成果が紹介され、次いで、ファブリーツィオ修復士からイタリアにおける壁画の修復・保存の現状について説明がありました。
その後、奈良文化財研究所埋蔵文化財センター研究室、奈良国立博物館文化財修理所、国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設、飛鳥資料館等を視察し、両国の最新の研究情報を共有すると共に、日伊の壁画修復・保存に関する意見交換を行い、大きな成果を得ることができました。
本センターと文化庁、奈良及び東京文化財研究所とが連携・協力することで、文化庁の「壁画の保存修復と活用の調和に関する協力事業」並びに本センターのプロジェクトが今後も高い専門的成果を上げ、日本のみならず世界の文化財修復・保存科学の進展に寄与していくことが期待される２日間でした。
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| 古墳壁画を視察（写真提供：文化庁） |