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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

角間キャンパスでカヤネズミの生息を確認

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11月14日
嬉しいお知らせ.日本一小さなネズミ「カヤネズミ」の角間キャンパスでの生息を確認しました.

この日おこなわれた「カヤネズミの観察会」の参加者が草地を歩き巣を探索.調整池の斜面のススキで1個の巣を発見しました.
見つかったのは5年前にキャンパス内で初めてカヤネズミの生息を確認したのと同地点.5年前の調査では合計10個の巣が同じ調整池の周辺斜面から見つかっています.

今回見つかった巣のデータは,
巣材:ススキ
巣高:150cm
直径:7cm
巣の色(新しさ):茶色
でした.時期を考えると,すでに利用の終わった巣だと考えられます.

5年前の調査以降,全く調査しておらず,その生息の有無が気になっていましたが,これでとりあえずは一安心といったところでしょうか.
カヤネズミの生息が確認されているのは金沢市内では角間町(角間キャンパス)と河北潟のみ.石川県全体でも,加賀市片野鴨池,能美市辰口,小松市滝ヶ原町など数地点に限られています.
そのため,2009年に改訂された「いしかわレッドデーターブック 動物編」では,準絶滅危惧種に指定されています(これまでは「情報不足」).

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残念ながら雨が時折強く降る天候でしたので,踏み込んだ調査は出来ませんでした.
本種は春と秋,年に2回繁殖し,春に増えた親が秋に巣をつくるため,探せばもっとみつかったかもしれません.
特に前回2個巣がみつかった北調整池では満足に探すことができず,生息は確認出来ませんでした.
天候の良い時をみつけて,再調査する必要があります.
今回の確認は,全国カヤネズミネットワークに近日中に報告する予定です.角間では5年ぶり,石川県では2年ぶりの生息確認です.

カヤネズミの保護には草地を維持するために草刈りといった「定期的な植生の更新」が必要(全国カヤネズミネットワーク,2003)です.
今回,巣が見つかった場所周辺は,

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巣材になるススキの上にクズやカナムグラがかぶっていて,カヤネズミの生息場所としては,あまり良い環境とは言えなさそうです.草地がなくならない,カヤネズミの生活をじゃましない程度に,でもできるだけ定期的に草刈りをするなど,生息地を維持する方法を考えていかなければならないでしょう.

中村晃規 (2009年11月18日 14:47) | コメント(0)