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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

2009年2月

金沢子ども科学財団「冬の里山探検」

2月7日

金沢子ども科学財団のプログラム「冬の里山探検」をおこないました.
毎年4回,季節ごとにおこなっている「里山探検」.この日は本年度最後の活動でした.

次のようなプログラムで活動しました.

9:30 集合,受付
10:00〜 里山散策〜クロサンショウウオの産卵観察,カブトムシの幼虫調べ,冬越しをするチョウチョ探し,動物の食い残し探し
12:00〜 昼食
13:00〜 室内実験「水と氷と雪の不思議〜結晶を観察しよう」
14:00〜 竹スキーづくり
15:30〜 後片付け,感想文,解散

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この日の活動スタートは,クロサンショウウオの卵の観察.ちょうど前日(2月6日)に今年初めての産卵を確認しました.
これまでも子ども科学財団に参加した子どもたちには,サンショウウオの卵や幼生をみせてきました.
ですが成体を捕まえてみせたことはありません.
昨日初めて産卵を確認したということは,近くに成体がいる可能性が高い.ということでサポートスタッフの渡邊君に胴長をはいて,がんばってもらいました.
...が,残念.捕まりませんでした.12〜18cmくらいと多分みんなの想像より大きい成体をみせたかったのですが...

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続いて雑木林に移動して「カブトムシの幼虫調べ」です.
2007年の春に落ち葉を集めてつくった「たい肥場・カブトムシの産卵場」でカブトムシの幼虫が育っているか,果たして何匹いるかを調査しました.
上の写真はたい肥の断面を観察しているところ.積もった葉っぱと,葉っぱが分解されて出来た「たい肥」の違いがよくわかりました.たい肥は元が葉っぱだったことがわからないくらい細かくなり,すっかり土のようになっていました.またよく見るとカブトムシの楕円形のフンが混ざっているのがわかります.

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スコップでたい肥をすくい,ブルーシートの上に出していくと...
ころころころころと幼虫が出てきました.
はじめ,みんなに何匹いそうか予想を聞くと,ほとんどの子が「20匹くらいじゃない?」との意見でした.
ところがみんなの予想を裏切り,たくさんころころと出てきて...

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全部で91匹がみつかりました!これにはみんなびっくり.数えた後には産卵場に戻しました.夏の再会が楽しみです.

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遊歩道の途中,見晴台ではエノキの木の根元でオオムラサキ,ゴマダラチョウの越冬幼虫を探しました.
ここ2年,こうした観察会でオオムラサキの幼虫は見つかっていません.
今年は何とか見つからないか,と期待したものの,前年ながらゴマダラチョウの幼虫しか見つかりませんでした.

午前中はこのほかウサギの食い痕やフン,カモシカの食い痕,ムササビの食べ残しとフンを観察しました.
雪が積もっていればこれらの動物の足跡も観察出来たはずです.

午後一番の活動は,子ども科学財団の中村先生による室内実験.特別な方法(ゆっくりと表面から凍らせた)でつくった氷をOHPの上でゆっくりと溶かすと,六角形の氷の結晶が現れてきます.
「なぜ六角形なのか」「なぜこの結晶が観察できるのか」など仕組みを解説してもらいました.

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続いては竹スキーづくり.

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ナタで削って,

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炭火であぶって,曲げて,

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マイ・竹スキーをつくって滑って楽しみました.

(子どもたちの感想文が金沢子ども科学財団のホームページにアップされました.こちらからどうぞ)

中村晃規 (2009年2月 7日 16:50) | コメント(0)

クロサンショウウオの産卵

今年も記念館横の池でクロサンショウウオの産卵が始まりました.
確認日は2月6日.一昨年は1月25日,昨年は2月4日に初確認の記録があります.
3年前の記録をみると「3月上旬に確認」とあります.
ここ3シーズンは暖冬で,そのため産卵時期が早まっているのでしょう.
今年は2対の卵のうが,少し離れて産卵されていました.

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(この後,2月8日に3対めがみつかりました)

2月7日におこなった「子ども科学財団 冬の里山探検」ではこの産卵について解説し,成体を探して網で水の中をすくいましたが残念.成体は捕まりませんでした.

昨年のブログにも書きましたが,石川県のレッドデーターには本種の記載はありません.しかしながら金沢市近郊では生息場所が減っており,「1960年代に産卵が確認されていた池15カ所を2001年に再調査したところ,このうち2つの池だけで産卵が再度確認できた」という報告があります.現在の角間キャンパスでも産卵場所は限られ,毎年連続して卵がみつかるのは2カ所だけです.

2年前にはキタダンでも産卵を確認しましたが水が枯れてしまい,昨年は産卵もありませんでした.キタダンの二つ隣の谷にある水たまりでは毎年産卵があり,近くに成体が生息しているのは確実なのですが,なかなかキタダンに登場してくれません.(今年も2月12日にキタダンを見回りましたが卵は見つかりませんでした)

さて,昨年は能登から「1月25日にクロサンショウウオの産卵がありました」と便りがありましたが今年はまだお知らせがありません.能登の今年の様子はどうでしょうか.1月25日に能登で大雪が降りましたが,影響はあったのでしょうか.気になるところです.

中村晃規 (2009年2月 6日 16:30) | コメント(0)