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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

2008年11月

ドングリの里親事業〜続き

金沢市がおこなう「ドングリの里親事業」のサポートの続きです.
11月20日の田上小学校での「ドングリのお話」に続き,11月26日には森山町小学校,11月28日には金石町小学校で「ドングリのお話」+「苗づくり」,11月27日に田上小学校で「苗づくり」をおこないました.
苗作りの手順は
(1) 土作り
(2) ドングリの選別
(3) ポットへのドングリ植え付け
といったものです.

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市役所の職員さんから苗づくりの説明を聞き,早速土作りです.

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赤玉土と腐葉土を混ぜます.
ある程度混ざったところで水を加え,さらに混ぜます.

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どの日も寒い日で,素手での作業がつらそうでした.

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土が十分に混ざったら各自ポットに土を入れます.ノルマは一人ポット二つ.

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今回植えたのは,コナラのドングリ.市の職員さんが角間の里山で集め,選別し,さらに水につけて保存していました.すでにほとんどが根を出しています.子どもたちはポットあたり3つ,つまり6つを選び,植えていきます.このとき,出来るだけ根が出ているドングリ,しかも虫に食われていないドングリを選びました.

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ポットの土に指で穴を3つあけ,そこにドングリを埋めます.深さは指の第一関節くらい.
土をかけた上からさらに腐葉土をかけ,完成です.

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ポッドには名札を立て,これからそれぞれ自分のドングリが成長する様子を観察していきます.
ドングリは乾燥に弱いため,並べた後のポットには十分水やりをしました.

どの学校も約70名の児童が一人6個のドングリを植えました.順調にいけば3年後には,6個×70人×3校=1260本のコナラの苗木ができることになります.

ドングリのお話〜ドングリポットづくりの一連の授業で,子どもたちはずいぶんドングリや里山の雑木林に興味を持ったようです.
今回対象になったのは,里山の近くに学校がある田上小学校,町中に学校がある森山町小学校,海のすぐ近くの金石町小学校です.
立地条件の違うそれぞれの小学校で,子どもたちが何に関心をもち,どんなことを観察していくのか,またどのような疑問点,問題を発見するのか,比較していくとおもしろそうです.
今後の展開が楽しみです.

中村晃規 (2008年11月28日 11:21) | コメント(0)

ドングリの里親事業

11月20日
金沢市が金沢市学校エコプロジェクト指定校を対象におこなう事業,「ドングリの里親事業」の講師として招かれ,小学校児童を対象にお話をしました.
この事業は子どもたちが森林,里山の大切さや植物の生態などに対して理解を深め,自然環境保全意識の高揚を図ることを目的におこなうもの.
金沢市の里山を代表する樹木であるコナラなどのドングリを小学校の児童が自分たちの手で育て上げ,数年後に植樹するといった内容です.

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今回の私の役割は,子どもたちにドングリのことや里山のことなどをわかりやすく解説することです.

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全部で3校がこの事業に参加しますが,今日はそのうち田上小学校での授業.
金沢市の担当者から子どもたちに向けて事業の概要の説明があり,その後を引き継いで「とんぐりって何だろう?」「里山ってどんなところ」の二つのテーマについてお話しました.
3,4限の時間を使って,長い長いお話になりましたが,子どもたちは飽きることなく,ノリもよく聞いてくれました.途中にクイズ形式の質問を入れたり,子どもたちの意見を聞くように工夫したのが良かったようです.

さて,このドングリの里親事業.自分の手でドングリを育てることは確かに自然に親しみ,身近な自然や里山を考えるきっかけになり,悪いことではないと思います.ただ,子どもたちはこの事業の中で3年かけて苗を育てます.この育てた苗をどうするのか,ここが大事だと思います.
角間の里山自然学校でも過去にドングリの苗を小学生と協力して,大学構内に植樹したことがあります.が,その後うまく世話ができず,今ではどうなったかわからなくなってしまっています.たいへん残念です.
子どもたちが時間をかけ,丁寧に育てる苗です.ぜひ無駄にすることなく,また誰もが納得できる形で活用できるよう,計画してほしいものです.

中村晃規 (2008年11月20日 14:38) | コメント(2)

クヌギの植林活動に参加

11月16日

珠洲市でおこなわれたクヌギの植林活動に参加してきました.
この活動は奥能登での茶道用炭の産地化をめざし5年前からおこなわれているもの.
若き炭焼き職人,大野長一郎さん(金沢大学里山駐村研究員)の呼びかけに,この日も約50人が集まり,250本ほどのクヌギ苗を植えました.私は金沢から学生3名と一緒に参加.朝7時に角間の里を出発しました(眠い).

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クヌギを植える前.ここは過去にパイロット事業で開墾されたが放置されていた場所.あらかじめ立てておいた竹の棒のヨコに穴を掘り,苗を植えます.

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スタッフから植樹方法を聞き,

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作業開始です.それぞれ二人一組になっての作業でした.

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こちらは能登半島 里山里海自然学校スタッフの赤石君と能登マイスター養成講座スタッフの小路君.

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30分くらいで作業は終了しました.うっすらと汗をかく前に終わってしまい,ちょっと物足りない感じ.後10本くらい植えたかったです.

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終了後の学生メンバー.このように余裕です.でも余力があるくらいが良いのかもしれません.またやりたいという気持ちになりますので.

作業終了後は、地元の公民館でおにぎりと豚汁、漬け物などをご馳走になりました.おにぎりは焼きおにぎり.大野さんの炭でこげめをつけ,珠洲の塩をふったというこだわりのおにぎり.地域にこだわった食事は,何よりのごちそうでした.

食事後は植林五年後のクヌギ林と 大野さんの炭焼き工場(大野製炭工場)の見学.私はこれが楽しみで参加しました.

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↑5年前に植林したクヌギ林.クヌギはこの写真のように5年間で約3メートルの高さにまで成長していました.
あと5年たてば伐採し,炭づくりに使えます.その後は切り株から萌芽更新し,約6年で炭焼きに適したサイズまで成長するとの説明でした.

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大野製炭工場の外観.横に大きなイチョウの木があり,ギンナンをたくさん落としていました.また奥には樹齢450年といわれるツバキの大木があり,驚かされました.

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4つある炭焼き窯のうちの二つ.私たちも角間キャンパスに炭焼き窯を作っていますが,大きさはその3倍くらい.また私たちの窯は,炭材の出し入れ口と焚き口が同じなのですが,ここの窯では,別々に作ってありました.これは作業効率と収炭率を上げるための工夫なのだと思います.上の写真で左手にある石の蓋が焚き口,右の入り口は炭材の出し入れ口です.
やはり炭焼き「工場」なのですね.

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大野さんと学生とで記念撮影.学生のみんなも角間での炭焼き窯建設と炭焼きに関わっています.今回の植樹と工場見学は,彼らにとっても刺激となったようです.できれば年明け頃に再度大野さんを訪問し,学生さんたちに炭焼きを体験させたいと思っています.

下は大野さんの焼いたお茶炭.こんなきれいな炭が植林されたクヌギで焼ける日が楽しみです.

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中村晃規 (2008年11月16日 12:09) | コメント(0)