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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

2008年4月

キタダンの田んぼ〜苗代づくり〜

4月26日
午後からキタダン棚田復元グループが,今年の苗代づくりをしました.
私はこれまでに苗代づくりを見たことがなかったので,おじゃまして見学させてもらいました.

苗代はキタダンの棚田の中で一番日当たりの良い,一番上の田んぼにつくります.
またキタダンのお米作りでは昔ながらの「水苗代」で苗をつくります.もちろんすべての行程が手作業です.

このときつくる苗床は,だいたい高さ1尺(30cm),幅は3尺(90cm)の畝.この苗床と苗床の間は約1尺(30cm)をあけて通路にします.用意した種籾は,この苗床の上にだけまきます.

作業開始.初めに決めた畝の場所に張った水糸に沿って鎌で土を切ります.

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土を切り終わったら畝づくりです.

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畝は高さが一定にそろわないと困るので,必ず一人で一つの畝をつくるそうです.二人でつくると土の量のかげんが互いに異なり,うまく高さがそろわないとのことです.

こうしてできた畝の上を平らにならし,苗床にしていきます.
まずは木の板で.

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だいたいならした後を大きなコロコロカーペットのような道具(写真手前の青い道具)で「コロコロ」とさらに平らに,なめらかにしていきます.

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こうして苗床が3列できました.ここにあらかじめ芽だししてあった種をまきます.

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この種まきの作業はベテランのお仕事.私たちではうまく均等にまけないので,経験豊かなお二人にお願いしています.

種まきが終わったら,それぞれの苗床に寒冷紗とビニルをかけます.

スチールの枠をうち
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寒冷紗をかけます.

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その上からビニルをかけて

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もう一度上から枠で抑えて完成です.

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この寒冷紗とビニルをかけるのは,苗床の温度を上げ,成育を良くするためです.ただし温度が上がりすぎても良くないので,天気が良い日には一部をあけて温度調節をおこないます.こうしたこまめな管理により,元気な苗ができあがります.

今年の田植えは5月24日を予定しています.参加は自由です.皆さん是非ご参加ください.

中村晃規 (2008年4月26日 19:08) | コメント(2)

竹の年齢

4月25日.大学1年生の里山での授業(タケノコ掘り)に同行し,里山メイトの竹ん子くらぶの皆さんが整備している竹林に入りました.
竹ん子くらぶの皆さんは,5年前からこの竹林を整備しています.タケノコがとれる竹林をつくる場所では間伐を,雑木林を復活させるエリアでは全伐をというように,目的にあわせた管理方法を取り入れ,伐採後の土地には梅を植えるなど,楽しみながら手入れをしています.

さて間伐をおこなっている竹林では,毎年親竹として残す竹を選び,それ以外はタケノコのうちに掘っています.リーダーの高島さんは非常に几帳面で,残した竹には毎年別の色のテープを貼り,何年に出た竹かわかるようにしてきました.このテープの事は前から知っていたのですが,色と年齢の対応についてはきちんと聞いていませんでした.この日は久しぶりに高島さんと竹林を歩くチャンス.ここのところをしっかりと確かめました.

で,こちらが昨年に出た竹(青色,出てから1年)
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まだ肌も緑が鮮やかで,白い節が目立ちます.

一昨年に出た竹は(黄色,出てから2年)

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こちらも肌が緑で節が白.節の色が少し落ちてきたかなとも見えます.

さて,3年前に出た竹は(ピンク色)

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このように節がかなり黒くなり,肌も黄色がかってきます.

そして4年前にでた竹がこちら(赤色)

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節は黒くなり,肌は黄色が強くなります.

さらにそれより古い竹がこちら(5年以上前に出た竹)

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節は完全に黒.肌も黄色です.

こうしてみると3年以上経った竹とそれより新しい竹とは節が黒いか白いかで見分けられそうです.
良く聞く話ですが,年齢がわかっている竹はなかなかありませんから,自分の目で確かめる機会はそうそうありません.これで誰かに聞かれたとき,私も胸を張って答えられます.

中村晃規 (2008年4月25日 16:41) | コメント(0)

今年最初の「金沢子ども科学財団 里山探検」

4月19日

本年度も金沢子ども科学財団のプログラム「里山探検」がスタートしました.
金沢子ども科学財団とは,角間の里山自然学校が始まったころからのおつき合いです.毎年4回,季節ごとに小学校3年〜中学生対象の里山体験・学習プログラムを一緒におこなっています.

今年初めてのプログラムは次のようでした.

9:30 集合,受付,室内で挨拶
10:00〜 里山散策〜里山ビンゴカードを使った自然探検
12:00〜 昼食
13:00〜 室内アクティビティ プロジェクトワイルドプログラム「硬貨や切手の野生生物」
14:00〜 竹林の整備とタケノコ掘り
15:30〜 後片付け,感想文,解散

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↑午前の里山散策の様子です.子どもたちが手に持っているのが「里山ビンゴカード」.今回は「里山バードウォッチング」,「里山の虫むしさがし」,「里山の花さがし」,「里山の春をさがそう!」の4種類のうち,好きな物を一つ選んで里山を歩きながら探しました.ちなみに一番人気は「里山の春をさがそう!」でした.

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↑こんなカードです.子どもたちには丸いシールをもち,項目を見つけたら貼りつけていきます.

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↑使った後の「バードウォッチングカード」.全部の項目にちゃんとシールが貼られています.

「同じ項目に何回貼ってもいい」ことにしたため,

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こんなになったり(この子は何度もシジュウカラの声を聞いたのですね),

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こんなになって元の絵がわからなくなったりしてます.
ビンゴを取り入れるとき,シールを貼るのを1回のみにするか,何回でもOKにするか,ちょっと悩みましたが,どうやら何度でもOKが正解のようです.こうすることで子どもたちは何度でも見つけてやろう,いくつも探してやろうとチャレンジします.結果,散策中に手持ちぶさたになったり,集中力が切れる子が少なくなりました.
ほとんどの子が観察に飽きることなく,目当てを持って歩けたようです.

散策を終えて帰る途中には,昨年の春につくった「落ち葉の堆肥・カブトムシの産卵場所」の様子をみてみました.「去年の春にどしゃ降りの中落ち葉を運んで集めたよね.カブトムシいるかな?」と堆肥ボックスの中の土を掘り返すと...いました!!ころころに大きくなったカブトムシの幼虫.子どもたちからは大歓声です.

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このボックスの中に何個体いるのか,この日は数えられませんでしたが,近いうちに里山メイトのおじさん,子どもたちと数えたいと思います.

午後のスタートは,プロジェクトワイルドプログラム「硬貨や切手の野生生物」
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子どもたち5人ずつ6グループと付き添いのお母さんグループ,そしてサポートの学生グループの合計8組.
先日の エデュケーター養成講座で覚えたプログラムを試しにやってみたのですがこれもまた好評.特にお母さんグループが楽しんでくれました.

後の時間は竹林の整備とタケノコ掘り.子どもたちにはモウソウ竹の林が広がり,里山の雑木林が枯れていること,モウソウ竹の林自体も使われなくなって荒れていることをお話ししてから竹林へ.
今年は表年ですが,まだまだ出始め.数も少なく,目をこらして探さないとタケノコは見つかりません.

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それでも一人一本は見つけ,掘り出しました.良いお土産になったようです.

最後はアンケート答え,感想文を書いて解散です.
(子どもたちの感想文が金沢子ども科学財団のホームページにアップされました.こちらからどうぞ)

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何はともあれ今年の第一回の里山探検が終わりました.次は夏休み.2日間ぶっ続けのプログラムです.

中村晃規 (2008年4月19日 16:01) | コメント(0)

雑木林〜ササ刈りの結果〜

4月4日
春になった里山をゆっくりと散策しました.
いつものようにハナンジャコから遊歩道へ.
昨年テレビ金沢のイベントとしてササを刈ったエリアでは,たくさんのショウジョウバカマが花を咲かせていました.

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隣接するササ刈りをおこなわなかった場所には,花は見られません.
ショウジョウバカマは種子から成長し,花を咲かせるまでに数年かかります.
従って今花を咲かせているのはササの中にあったけど,光りが当たらず,花をつけられなかった株なのでしょう.ササを刈り,日照条件が良くなった結果,花をつけるようになったのでしょう.

昨年の秋に刈って,こんなにすぐに反応があるとは思いませんでした.

現在のこの場所の様子です.

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ササが無くなり,さっぱりした林床になっています.こうしたエリアを広げるため,本年度もササ刈りを続ける予定です.関心のある皆さん,ぜひご参加ください.

中村晃規 (2008年4月 4日 21:56) | コメント(0)