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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

2006年4月

里山回廊案内

自然系の学生サークルの部長さんが角間の里を訪ねてきました.
「このマップに載っている里山回廊を歩きたい」と.

「それじゃあ,〜から山に入って,〜(道しるべなど)に従って歩いてください.山道ですが,迷うことなく歩けますよ!!」

とは言えないのが現状.金沢大学側から入る道はどれも荒れていて,どこが道なのかよくわからない状態です...

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例えばこれ.倒れた木と茂ったササのため道が見えません.












IMG_1008.JPG

竹藪は竹が枯れ放題,倒れ放題.どこから手をつけて良いかもわかりません.

というわけでガイドとして同行.ついでに先日入らなかった「北陸仏教道」も歩いてみました.

金沢大学エリアから卯辰山エリアに向かう三叉路を仏教道方面へ.
先にも書きましたが,この道は北陸電力の鉄塔点検のために使われているらしく,きれいに手入れされています.

金沢大学キャンパスを一望できる場所があったり,かなりの樹齢の木があったり,変化に富んでいて飽きることなく歩けました.

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木々の間から大学の駐車場が見えるのも御愛嬌.














歩き続けて体が火照ったころに,小さな沢が現れました.沢を登る冷たい風が心地よく体をなでていきます.

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沢は滑りやすかったのですが岩肌に階段が切ってあり,問題なく歩けました.
この階段はいったいいつ頃からあるのでしょうかねぇ?もしかして仏教道として使われていた頃からでしょうか?それならば歴史巡りとしても楽しい道です.

2時間ほどの行程を楽しんだのですが,最後はどこを間違ったか建設会社の私有地にでてしまいました.
私有地を抜けるようではよろしくありません.これまでの聞き取りでは,仏教道はもう少し先まで続いているはず.わかりにくい道なのでしょう.私たちには見つけられませんでした.

次回は私有地を通らずとも抜けられる道を探します.

中村晃規 (2006年4月27日 15:33) | コメント(0)

里山歴史散歩 〜里山回廊下調べ〜

先月28日に続き,里山回廊の整備に向けた下調べ.
今日は金沢大学周辺の古道を歩きました.
これは里山散策のルートを設定する際,歴史的に意味のある地点を通し,「里山+歴史散歩」のコースを作るための下調べです.

今回のメインメニューは二つ.
(1) 石切場から切りだした戸室石を金沢城まで運んだ「石引往来」
(2) 北陸仏教道脇にある「蓮如の力水」
でした.

まずは金沢大学構内を抜け石引往来へ向かいます.

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これはその途中にある八幡神社の境内にあったほこら.穴を覗くと,中にはお地蔵さんが.なにやらいわれがありそうな雰囲気.むむむ...これは追加調査が必要ですね.












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道脇にあった立木を利用した「はざ」.神社のある中山町から石引往来へ向かう途中にありました.
こうした「小道具」が里山的雰囲気を盛り上げてくれます.







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石引往来の所々には今でも戸室石が点在しており,場所によっては写真のように山積みに放置されています.同行したMさんによれば周辺の田んぼを整備する際に出てきたのではとのこと.
なるほど,よく見ると田んぼの石垣にもたくさん使われていました.







またこのあたりの田んぼでは,毎年ホタルがたくさん発生します.夜に山道を歩くのは難しいですが,ガイドのネタとしてはGoodでしょう.

さて,石引往来から角間方面に抜け,北陸仏教道へ.

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そこにある小さなでも水量豊かな池が「蓮如の力水」.
「本願寺中興の祖」と呼ばれる蓮如上人は,北陸地方でも精力的に布教活動をおこないました.
もともと白山信仰のあったこの地では,布教の旅は厳しかったとも聞かれます.

その蓮如上人が加賀から越中に向かう時に使ったのが,この「北陸仏教道」だといわれています.
尾根付近にありながら,不思議と多くの水を蓄えているこの泉.蓮如だけでなく,この道を通った人々の喉を潤した事でしょう.今は周囲の田んぼに絶え間なく水を供給しています.

今回の踏査で,大学キャンパスと里山的景観,そして歴史的地点を含む小さな周回ルート(約2時間半)が見えてきました.
里山回廊整備に向け,今後も調査は続きます.

中村晃規 (2006年4月18日 19:33) | コメント(0)

炭焼き窯訪問

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金沢大学の学生有志がこの春立ち上げたサークル「CLUB 炭焼き」のメンバー3人と,炭焼き窯を訪問してきました.
訪問したのは金沢大学の駐村研究員で能美市在住の安田さん.脱サラしてから20年間,試行錯誤の中で炭焼きを続けてきた,まさに「職人な」方です.

学生メンバーの3人は,実際の炭窯を見るのも,炭焼きを営む人の話を聞くのも,この日が初めて.熱っぽく自分と炭焼きについてや里山の将来,過疎化対策について語る安田さんに圧倒されたようでした.

また炭焼き釜の存在感に気圧されたような彼ら.「ほんとうに自分たちに出来るのか?」と不安もよぎったことでしょう.
しかしながら赤煉瓦と耐火モルタル,粘土でつくる安田さんの窯は,私がこれまで見てきた他の窯に比べると,取っつきやすそう.安田さんも出来るだけ協力してくれるとのことです.このあと計画を検討し,夏までの完成を目標にしようと決めたのでした.
本年度中に1度でも,自分たちの手で炭を焼き上げられれば万々歳ですね.

彼らの本当の活動が「今」スタートした気がします.安田さんは今月中に一度炭を焼き上げるとのこと.ぜひその場に立ち会わせていただき,今度は「炭焼き現場」を体感して欲しいと思います.

写真は炭窯の中で安田さんの話を聞く学生たち.窯の中は意外に広く,みんな驚いていました.

中村晃規 (2006年4月 4日 16:24) | コメント(3)

「ミステリーゾーン」そして「里山回廊」の現在

3月28日,里山メイトのおじいさんと一緒に里山回廊の一部を歩きました.
今回の山歩きの本当の目的は「ミステリーゾーン探訪」.地元では「御滝野(おたきの)」と呼ばれる場所で,昔から人が入ろうとしない,不思議な場所なのだそうです.
ここで起きた不思議なことは,

(1) 風も吹いてないのに周りの木々が「どうどう」と音をたてて揺れる
(2) 誰も木を切っていないのに,いきなり大木が倒れる
(3) 山歩きのベテランが路に迷い,ぐるぐると同じ場所を回る
(4) 身長10mはある巨人が大の字に倒れたように山の斜面に草木の倒れた痕がみられた

などなど.
この場所は4年前に金沢大学里山ゾーンと近隣の里山エリア(卯辰山公園,夕日寺健民自然園)を結ぶために開かれた「里山回廊」から脇道に少しそれたところ.その場所に立つと下には金沢セントラルゴルフ場が見え,遠くには内灘の金沢医科大学病院が望めました.

三方から風が吹き上げ,山全体がうなりをあげるように木々がざわめく.確かに気持ちの良くないところという印象.見晴らしが良いから「里山回廊」の一部に組み込みたいのですが,こうしたいわれや自分の感覚からは,「ちょっと避けた方が良いかな」という気もします.

そして「里山回廊」.覚悟はしていましたが,やはり荒れていました.もちろん雪解け直後で,今年の手入れも始まっていないことも原因の一つでしょう.

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回廊のいろんな場所でササが生い茂り,かき分けて歩かなければ通れなくなっています.竹林では枯れた竹が路をふさいでいました.また木が路をまたいで倒れており,そのままになっているところもありました.












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二枚目の写真は卯辰山から金沢大学へのルートの入り口付近.ここに作った階段も,














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今では木が腐り,登ろうとすると崩れてきます.

今回歩いて一番ひどい状態だったのは,金沢大学エリア内.回廊を開いてからほとんど整備していなかったため,どこが路なのかわからなくなっています.「里山回廊」の第一歩は,もう一度整備を始めるところからなのだと強く感じました.









その一方で「北陸仏教道」がきれいに残っていることもわかりました.

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路がしっかり残っており,現在の回廊を広げるにはまさにうってつけです.今回はこの仏教道をたどる時間はありませんでしたが,近日中にもう一度歩き,どこまで続いているのか,地図に描き込むつもりです.

ミステリーゾーンについては宇野さんもブログで紹介しています.ここをクリックすればジャンプできます.

中村晃規 (2006年4月 2日 15:34) | コメント(0)