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むしとりあみ通信

氏名:中村晃規
専門:生態学
里山の動植物の話題,自然学校の日々の活動で感じたことなどを伝えます

ESDセミナーin金沢

1月31日(日)
金沢都ホテルで開催された,「ESDセミナーin金沢〜北陸におけるユネスコ・スクール(US)事例発表会〜」に参加しました.前日の富山シンポジウムに続いて,連チャンでのESD関連行事への参加.私の知的好奇心をビンビンに刺激してくれました.

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このセミナーでは,北陸のユネスコスクール3校による取り組みの発表がありました.
発表があったのは,富山市中央小学校,金沢市材木町小学校,金沢市田上小学校の3校でした.
それぞれの報告内容ですが,かいつまんでまとめると,中央小学校はESDカリキュラム構築に向けての自分たちがすすめてきた4つのプロセスについて,材木町小学校は地域との連携と地域への発信,田上小学校はESDと総合的な学習の時間・地域のサポートといった感じでしょうか.

発表後には,金沢大学特任教授の鈴木先生を司会に,総合討論がありました.
各学校の発表後の総合討論のキーワードを以下に並べます.
・新しいことをはじめたのではない
・ESD〜学年をつなぐ柱〜地域に立脚〜頭の整理のし直し
・ESDカレンダー〜学習指導計画とのリンク〜ストーリー性
・学校の先生がイニシアチブをとる〜子どもに何を学ばせたいのか〜一過性で終わってはいけない
・学習履歴の保存と活用〜重要〜ポートフォリオ〜ESDの持続可能性
・ESD意識を主体にした活動

環境省中部地方事務所、EPO中部(中部環境パートナーシップオフィス)のスタッフも出席されていました.
残念だったのは参加者が少なかったこと.事例の発表が聞け,それについていろいろ質問出来るのだから,発表した学校以外から,もっと先生が出席してくれれば...と率直に思いました.

個人的には,角間の里山自然学校と連携して里山学習をすすめてきた田上小学校のお話しを他校に聞いていただけたので満足でした.ただし,私に求められたコメント(鈴木先生より)に上手く答えられなかった点は反省ですが...

大学の一員として,個人として何が出来るか,考えさせられたセミナーでした.

中村晃規 (2010年2月 4日 22:59) | コメント(0)

ESD富山シンポジウム〜里山から持続可能な社会づくりを考える〜

1月30日
富山市ファミリーパークでおこなわれたシンポジウム「ESD富山シンポジウム〜里山から持続可能な社会づくりを考える」に参加してきました.

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受付をすませて会場に入るとなかなかの熱気.席がほとんど埋まっていて,ぎりぎりに会場入りした私は空いた場所を探すのにしばらくウロウロ.

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ざっと見て参加者は約150名ほどでしょうか.そしてシンポの途中でわかったのですが,その半数くらいが幼小中高の先生.富山市教育委員会が主催だったためもあるでしょうが,ESDに対する富山の先生方の関心の高さがうかがいしれました.

基調講演をされた廣野良吉先生は,ESDについて3つのテーマ,①そのなりゆき,②各国の取り組みの内容,③これからの展望についてお話しされました.ESDを通して,世界とのつながりを考えること,地域が主体となって活動することが重要であるとのお話しが私の頭に残っています.

続いてのパネルディスカッションは,金沢大学特任教授の鈴木克徳先生を司会に,富山市ファミリーパーク園長の山本茂行さん,悠久の森2009総合プロデューサーの小林福治さん,富山大学教授の松本謙一先生が話題提供されました.

富山市ファミリーパークとは,角間の里山自然学校の設立当初から,非常に懇意に交流させてもらっています.いつも私の考えの先を進んでいく山本園長.今回の参加も,山本さんのお話を楽しみにしてでもありました.

さて,その山本園長のお話は,「動物園はESDやります.先生方いっしょにやりましょう」ということだったと思います.これまでのいきものメイトとの里山保全や動物種の保護,児童・生徒・学生の受け入れといった活動,園内の動物や施設をESDの素材として提示し,みんなでこの素材を活用してください,一緒にESDをすすめていきましょうと提案したと私は受け取りました(間違っていたらすいません).同じく里山に関わっている私としては,里山をESDに使いましょうと明確に打ち出しているファミリーパークをうらやましく感じました.角間の里山の今後も,もしかすると同じ位置に立っているのかもしれません.これまでの動物園の活動が,ESDというキーワードでスッキリとまとまった感じがするのは私だけでしょうか?

小林さんからは,悠久の森プロジェクトの展開と今後の展望について,松本先生からは小学校での川の汚染度調査と美化プロジェクトといった環境教育活動を通じて見えてきた,子どもが持つESDの視点や地域素材の価値についてのお話しがありました.

シンポジウムのキーワードは,「里山」「ESD」「持続可能な社会」でしたが,パネリストの発言から,「これまでやってきたことがESD」という隠れたキーワードが見えました.

ESD,今後の里山のありかたを考える上で,とても有益なシンポジウムでした.

ちょっと見にくいのですが私のメモを元にしたマインドマップはこちら.

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クリックすると大きくなります.

シンポジウムの後で動物園内をめぐるツアーがありました.
その時,悠久の森プロジェクトのみなさんが,能登半島里山里海自然学校を訪れた時の写真報告を発見.

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今回の内容とは関係ないですが,ちょっと嬉しくてここにお知らせです.

中村晃規 (2010年2月 4日 00:30) | コメント(0)

プロジェクトワイルド 北陸ミーティング「お〜!いのしし」

1月16日,17日
福井でおこなわれたプロジェクトワイルド北陸ミーティング「お〜!いのしし」に参加しました.

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一昨年の能登エコスタジアム穴水ブロックの「環境教育指導者養成講座」でお世話になった中田都さんを中心に,プロジェクトワイルドネットワーク福井の皆さんが作り上げた今回のイベント.
プロジェクトワイルドプログラムを軸に,イノシシとの共生を考えるのがテーマでした.

開会式
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みなさんの掲げるデジカメの先には
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今回の主役のイノシシさんがいて,
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みんなで調味料を塗り込まれました.この子は2009年うまれの女の子.12月頃に捕獲され,解体されてこの日を迎えました.こうして調味料をすり込まれたこの子は,次の日(17日),丸焼きにされました.

またドラム缶で作った燻製機では,
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イノシシハムとベーコンの作成中.これは夜の交流会でいただきました.

さて,一日目のスケジュールは,
「イノシシのお勉強」「環境教育ゲーム お〜!イノシシを極める」「里地里山で活かせるアクティビティ体験」でした.
イノシシについては,私たち石川,金沢ではまだまだ認識不足です.タイミング良く(?),1月11日に市街でイノシシが暴れ,警官に射殺されるという「事故」がおこりました.多分,この事故で,金沢市民は,イノシシに対して曲がった認識をもったことでしょう.
これから石川県でも,もっともっとイノシシの害が増えることが予想されます.
どのようにつきあっていけばよいかについてのヒントが先輩である福井県でおこなわれた今回のイベントにはたくさんありました.

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↑「お〜!イノシシ」を極めるの一コマ.
ゲームが終わると↓のようなグラフが出来上がります.

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ちなみにこちらのグラフでは,赤がイノシシの個体数,青はハンターに捕獲されたイノシシの累積個体数.
ハンターを投入(2005年)することで,イノシシの個体数が安定する様子がシミュレートされました.

この他,アクティビティ体験として,アイスブレイク,生物多様性を学ぶアクティビティをおこないました.

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2日目
初日の福井県鯖江青年の家から場所を移し,鯖江市中山間交流会館でのイベント.
ふくい・くらしの研究所「くらなび農園」の収穫大感謝祭でした.
私たちも含め,県内外から80名くらいが集まってのお祭り.
前日に準備したイノシシが丸焼きにされたり,

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くらなび農園の皆さんが今年作ったモチ米でお餅つきをしたり,

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しいたけのホダ木をつくったり.
私たちは集まった親子や地域の方達を対象に,「お〜!イノシシ」を提供しました.

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午後からはイノシシと共生するにはどうすればよいかを考えるワークショップ.
イノシシを使った新規事業を考え,他の参加者に対してプレゼンテーションをするといったプログラム.
イノシシの牧場案や古民家の活用,ツーリズムとしてのイノシシ見学散歩道など面白い企画が提示されたそうです(残念ながら私は急用のため午前で失礼しました).

さて,一緒に参加した石川県のプロジェクトワイルド仲間から,「石川でやるとしたら何が題材ですかねぇ?」との質問.それは当然「お〜!トキ」でしょう.ん?「お〜!バンブ〜!」でも良いかな?

福井県鯖江市に富山県,石川県そして全国のプロジェクトワイルド仲間が集まった今回のイベント.
これを皮切りに北陸のプロジェクトワイルドネットワークが,活発に動き始めるよう,アクションを起こせればと考えております.

中村晃規 (2010年1月17日 15:11) | コメント(0)

第五回竹林景観ネットワーク研究集会~2日目

昨日にひきつづき,竹林景観ネットワーク研究集会に参加しました.
2日目はエクスカーション.高松市郊外の自然植生の観察,NPO,香川大学の竹林調査地の視察でした.

まず訪れたのは藤尾山自然環境保護地域と藤尾神社.

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ここは山自体がご神体となっていて,そのためこの地域の自然植生が残されています.
ですので,展望台から見ると,周りの山々は常緑広葉樹に覆われた景色.

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てらてらと輝く緑の中,所々にまだ落葉していない,赤や黄色に紅葉した落葉広葉樹が見えました.
香川県に出発する少し前に雪が降った金沢では,木々の葉はすっかり落ちて見渡す限り白と黒の世界だったのに...冬でも暖かくさしている日差しの中,山の様相の違いをたっぷり堪能しました.

続いて,藤尾山に隣接する「ドングリランド」へ.

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このドングリランドでは,「どんぐり貯金」で有名な「NPO法人どんぐりネットワーク」の方達が活動しています.
ネットワークが指定管理者となっているビジターセンターでは,約1万個の松ぼっくりで作った大きな松ぼっくりアート「ト○ロ」が出迎えてくれました.

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センター内ではネットワークの松野さんから活動についてお話ししていただきました.
「保全」「森遊び」「食べる」をテーマに様々な主体が多様な体験活動をおこなっている様子がよくわかりました.
例えば「ツリークライミング」「森の幼稚園(地元の幼稚園,保育園と一緒に)」「里山キャンプ(大学生の協力)」.これらの行事を月1回のペースでおこなっているほか,毎週火曜日には竹林整備ボランティアの皆さんが保全活動に励んでいます.

このネットワークの取り組みの様子,組織の作り方などは,今後の角間の里山メイトの方向性を考える上でとてもヒントになりました.

この日も「森で育児をしよう!」と集まり,定期的な活動を続けている親子グループが薪とかまどで料理をしていました.

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作っているのは「だんご汁」.子ども達が作ってくれたこのお汁を,私たちも頂きました.
ごちそうさまでした.

昼食後はドングリランド内の竹林で「竹林の健康診断」の講習会をおこなったり,香川大学の調査試験地を見学しました.
途中では竹林内に建てられた観測タワーにも登ることができ,大満足なエクスカーションでした.

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中村晃規 (2009年12月27日 14:02) | コメント(0)

第五回竹林景観ネットワーク研究集会

香川県高松市香川大学でおこなわれた,第五回竹林景観ネットワーク研究集会に参加しています.
今日は一日目,研究発表会でした.
急病のため,1演者の発表が取り消しになりましたが,4つの発表があり,活発な意見交換がおこなわれました.

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今回の発表は,卒論生,院生の発表のみ.学生・院生らしく新しい視点で切り込んだ初々しい発表ばかりでした.

懇親会はさすが香川県.讃岐うどんの料亭.本場のうどんを堪能しました.

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帰りの電車「琴電」では,金沢大学の坂本先生から工学部系の視点で見た竹研究について聞くことができました.
竹の地下茎が成長し,拡大する様子や,竹林が成長し,密度が高くなる様子についてのシュミレーションに是非取り組んで欲しいと感じました.

明日は高松市周辺の森林や竹林保全,研究の現場を見学するエクスカーションです.

中村晃規 (2009年12月26日 21:02) | コメント(0)

ラクーン・環境活動コンテスト出場

金沢大学の「里山を楽しみ,知ってもらう」サークル,ラクーンが2009年の第7回全国大学生環境活動コンテスト(通称「エココン」)に出場します.
このコンテストでは出場したグループが自分たちの活動についてプレゼンテーションし,その出来を競い合います.もちろん各団体の活動そのものも審査のポイントですが,どれだけ上手くパフォーマンスし,観客に伝わるかという点も重要です.制限時間は5分.短いようで長いこの時間をどのように使うか.なかなか難しいです.

ラクーンは今年の春から取り組んできた竹林整備を中心にした活動を発表します.北陸地区からは金沢大学のラクーンが唯一の出場.ぜひ北陸でも環境に取り組む大学生がいるのだと,全国の大学生に知らせて来てください.

コンテストの日程は12月26日,27日.
その前日の今日,彼らはプレゼンのパワーポイントづくりに頭を悩ませていました.

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大丈夫やろか?
まぁ,私としてはコンテストの成績にはあまり興味はありません.それよりも全国の他大学の学生が,どんな意識で,どんな活動に取り組んでいるのか,肌で感じて来るのが大切です(ですので,彼らには去年も出場を勧めました).
ぜひ,この感想を聞かせてほしいと思っています.

なにはともあれ,がんばってきてください.

中村晃規 (2009年12月25日 23:43) | コメント(0)

キツネ

昨日,里山メイト,棚田グループのKさんから連絡がありました.
「田んぼの入り口の公園でキツネが死んでました.かわいそうなので埋めました」とのことです.
角間キャンパスで動物の死体が見つかると,同じ里山メイトのTさんはいつも資料として活用できるよう,大阪の博物館に送ります.
今回もTさんに電話をし,事情を説明したところ,送ることになりました.
とりあえず掘り出し,体を洗おうと角間の里に持ってきたのがこちらのキツネ.

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鼻先からしっぽの先まで,1mくらいのまだ子どものメスの個体でした.
先日積もった雪の上に残された足跡などの状況からTさんが推理したのは,

(1) キツネは他のキツネ(兄弟?)と遊んでいた.
(2) そこを犬に襲われ,脇腹をかまれた.
(3) 山に逃げ込もうとしたが,その途中力尽きた.

ということです.

キツネは明日,大阪に送られます.

中村晃規 (2009年12月24日 00:00) | コメント(0)

招待状が届きました

本年度も里山での総合的な学習の時間をサポートしてきた田上小学校から,可愛い招待状が届きました.
里山学習の発表会です.

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楽しみですが...
ところが,新型インフルエンザのため,1クラスが学級閉鎖に.なんと15名がインフルのためにお休みだったそうです.発表会は延期.来週やれるかな?といったところです.

残念です.

中村晃規 (2009年11月24日 16:34) | コメント(0)

第10回 CONE全国大会 in 福井

お隣,福井県の福井市でおこなわれた第10回CONE全国大会に参加してきました.
車で行くと1時間と少しで到着するのですね.
おもったより近くてびっくりしました.もちろん高速を使ってですが.
良く考えてみると福井市内に用事で来たのは10年ぶりくらいです.
会場の福井市少年自然の家周辺には佐々木小次郎ゆかりの史跡があったりして,ゆっくりと訪れてみたい場所でした.

大会は21日からスタートしていましたが,私は都合により2日目のみの参加.
参加者は200名くらいでしょうか.

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午前,午後とも希望した分科会にわかれ,テーマ別に討論などがおこなわれました.
私が参加した分科会は,

午前:「動き出す小学校長期自然体験活動」
午後:「地域で持続可能な仕組みとネットワーク」
夕方:「こころがぐんと育つ パーソナルポートフォリオ」

でした.

午前の分科会は,会場から離れ,地元のお寺で.

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こちらのお寺はこの地域(東郷地区)の村おこしの中心地点になっていて,東郷地区では今年の夏に既に小学生の民泊・農村体験を受け入れて今後さらに展開させる予定との事でした.
地域コミュニティーの中心にお寺があるのは,なんだか良いですね(私も実家が寺なもので...).

さて,この分科会では先進事例として,「沖縄・サンゴとブロッコリの森自然学校」の取り組みが紹介されました.既に何校かの長期体験を実施し,参加の前後で子どもの対人関係が良い方向に変化すること(例えばあいさつをきちんとするようになる,学年が落ち着くなど)や参加するまでは問題児だった生徒がキャンプの中でリーダーシップを発揮し,自分の居場所を見つけ,さらにはそれが終了後の学校のなかでも維持されていったことなどをお話しされていました.
「自然体験が子どもを変える」というのは,ありそうな,それでいてどうだろうかと思うような文句なのですが,実際の事例を聞き,なるほどと思わされました.
この分科会のメモがこちら.

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クリックすると少し大きくなります.

午後からは自然の家にもどっての分科会.
持続可能な活動に向け,どのようなネットワーク,パートナーシップをつくっていくのか,意見交換がなされました.
興味があったのは,「企業とのネットワーク・パートナーシップづくり」.これについては,「同じ目的を持って作られたネットワーク自体とても価値があり,企業にとってはマーケットである」「商品開発,市場調査として活用できる」と売り込めるという意見がとても参考になりました.エコロジーとエコノミーの両立が持続可能な活動には必要」で「そのためにはプロのコーディネーター・プロデューサーの育成が肝要」とのことでした.もっともです.
この分科会のメモがこちら

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クリックすると大きくなります.

全体として,とても勉強になった大会でした.一日だけでなく,通して参加し,夜もゆっくりとお話しできればよかったのにと後悔しております.

中村晃規 (2009年11月22日 17:50) | コメント(0)

角間キャンパスでカヤネズミの生息を確認

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11月14日
嬉しいお知らせ.日本一小さなネズミ「カヤネズミ」の角間キャンパスでの生息を確認しました.

この日おこなわれた「カヤネズミの観察会」の参加者が草地を歩き巣を探索.調整池の斜面のススキで1個の巣を発見しました.
見つかったのは5年前にキャンパス内で初めてカヤネズミの生息を確認したのと同地点.5年前の調査では合計10個の巣が同じ調整池の周辺斜面から見つかっています.

今回見つかった巣のデータは,
巣材:ススキ
巣高:150cm
直径:7cm
巣の色(新しさ):茶色
でした.時期を考えると,すでに利用の終わった巣だと考えられます.

5年前の調査以降,全く調査しておらず,その生息の有無が気になっていましたが,これでとりあえずは一安心といったところでしょうか.
カヤネズミの生息が確認されているのは金沢市内では角間町(角間キャンパス)と河北潟のみ.石川県全体でも,加賀市片野鴨池,能美市辰口,小松市滝ヶ原町など数地点に限られています.
そのため,2009年に改訂された「いしかわレッドデーターブック 動物編」では,準絶滅危惧種に指定されています(これまでは「情報不足」).

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残念ながら雨が時折強く降る天候でしたので,踏み込んだ調査は出来ませんでした.
本種は春と秋,年に2回繁殖し,春に増えた親が秋に巣をつくるため,探せばもっとみつかったかもしれません.
特に前回2個巣がみつかった北調整池では満足に探すことができず,生息は確認出来ませんでした.
天候の良い時をみつけて,再調査する必要があります.
今回の確認は,全国カヤネズミネットワークに近日中に報告する予定です.角間では5年ぶり,石川県では2年ぶりの生息確認です.

カヤネズミの保護には草地を維持するために草刈りといった「定期的な植生の更新」が必要(全国カヤネズミネットワーク,2003)です.
今回,巣が見つかった場所周辺は,

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巣材になるススキの上にクズやカナムグラがかぶっていて,カヤネズミの生息場所としては,あまり良い環境とは言えなさそうです.草地がなくならない,カヤネズミの生活をじゃましない程度に,でもできるだけ定期的に草刈りをするなど,生息地を維持する方法を考えていかなければならないでしょう.

中村晃規 (2009年11月18日 14:47) | コメント(0)