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里山駐村研究員について

角間の里山自然学校に17年12月、「里山駐村研究員制度」という新しい活動が加わりました。里山保全や地域の活性化などに取り組んでいる人を「里山駐村研究員」「里山客員研究員・客員調査員」に委嘱し、大学の里山研究に、長年培った経験と知恵を生かしてもらうのが狙いです。

里山駐村研究員制度

民学連携の新しい試み里山駐村員制度

研究員制度は、大学の里山研究に民間の力を加える“民学連携”の新しい試みとしてスタートしました。
研究員は、地域の里山活動に関する情報提供や大学への提言、研究者との意見交換など、大学と連携した活動を展開していきます。
昨年末に委嘱を受けた研究員は41人。長年にわたって里山の保全や活性化に取り組んできた人たちばかりで、製材業者、木竹炭生産者、農産加工業者、「農家レストラン」経営者、草木染作家、天然塩生産者、山岳ガイド、介護ボランティア、郷土史家ら幅広い分野の「地域の専門家」が集います。

大学と地域の橋渡し的役割
地域連携コーディネーター
川畠 平一さん

川畠 平一さん

「研究員と連携して、里山の調査研究を地域に広げていきたい」と語るのは、川畠さん。研究員制度の仕掛け人。これまで里山自然学校で築いた「財産」をさらに生かす方法を模索していたところ、この制度を思いついたという。

ー駐村研究員はこんな人ー
能登手仕事屋店主
星野 正光さん

星野 正光さん

「旅人に本当の能登に出合ってほしい」という思いで開いた手仕事屋は、輪島市門前町の総持寺通りにある。子どものころ、木こりだった祖父に連れられて里山の自然の大きさを体感した。その体験が「里山は生活の知恵の宝庫」と言い切る星野さんの原点だ。

ー駐村研究員はこんな人ー
農家レストラン経営
室谷 加代子さん

室谷 加代子さん

畑に囲まれた静かな場所に“農家レストラン”「むろたに」(志賀町)はある。「農家レストラン」の名の通り、食材となる野菜は自家製か地元産。研究員という枠だけにとらわれず、「料理の成分を研究し、公表することで食の発展に貢献することができます」と、大学の社会貢献に関するアイデアも次々と浮かんでいる。

里山駐村員が果たす役割

研究員は地域の課題を肌で感じ、解決のためのアイデアを持つ「地域のリーダー」です。彼らのアイデアを有効に活用するため、川畠さん(右写真)は「情報収集」「情報発信」「勉強会」の3つを活動展開のキーワードに挙げています。
地域の要望や提案を集め、大学の研究活動に生かすための情報収集。そして、大学が蓄積してきた研究成果を地域に生かすための情報発信。さらに、里山を軸とした"民学連携"の理念や方向性について理解を深め、地域振興、里山研究の活性化を目指す勉強会。まずは、これらの活動を地道に展開し、大学と地域の連携体制の基盤をつくります。
基盤づくりの次は、「共同研究・調査」で大学が地域と連携し、地域の活性化を目指し、共同研究から、里山の資源を利用した新しい産業を創出することも、目標の一つになります。「産業創出=ビジネスモデルの提示」をすることで、産業振興や過疎問題などの地域課題に、解決の道筋を付けていきたいと考えています。

様々な事象を体系化し「里山学」の教育研究拠点に

近年は生活・生産様式が変化し、里山の素地となる森林や草地の経済的利用価値が低下してきました。さらに、農林業の採算性の低下、林業生産活動の停滞などから森林や農地が放置されるケースが増加しています。

動植物、環境、歴史文化、地域経済など様々な分野に影響を与えてきた里山。各分野の学問は発展してきましたが、それらを総合的にとらえる「里山学」という学問分野はまだありません。川畠さんは「将来的には、金沢大学を里山学の教育研究拠点にしたい。そのための手がかりとしても駐村研究員制度を機能させていきたい」と言っています。

この分野の学問を確立するには、里山を軸とした大学と地域の協力と、あらゆる分野が一緒になって研究を進める「学際」が必要であり、また、里山を現代に生かすためには“民学連携”をしっかりと固めることも重要です。駐村研究員制度は、その足がかりとなることでしょう。

里山駐村研究員MAP

里山駐村研究員MAP

石川県内の委嘱を受けた里山駐村研究員の所在MAP

委嘱を受けた研究員は41人。長年にわたって里山の保全や活性化に取り組んできた人たちばかりで、製材業者、木竹炭生産者、農産加工業者、「農家レストラン」経営者、草木染作家、天然塩生産者、山岳ガイド、介護ボランティア、郷土史家ら幅広い分野の「地域の専門家」が集います。

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