アニメ版「聖十字架物語」、紹介ビデオ「金沢と金沢大学」を制作

 

 5月20日、制作したアニメ版「聖十字架物語」、紹介ビデオ「金沢と金沢大学」を記者発表で披露しました。この二つの映像は6月7日に行われる「サンタ・クローチェ教会壁画修復プロジェクト」完成記念セレモニーで上映される予定です。

製作したDVD

 アニメ版「聖十字架物語」は、昨年12月に修復が完成したフィレンツェのサンタ・クローチェ教会大礼拝堂に描かれた最大級の壁画「聖十字架物語」を「壁画を読む」という立場で制作し、モチーフを新たに付加することなく、壁画に描かれた登場人物たちだけを動かしてアニメーションとしました。しかし、「聖十字架の物語」を貫く「原罪と救済」の思想を明快にするために、「旧約聖書」にさかのぼって「アダムとイヴの楽園追放」をプロローグで補うなど、単に物語の筋を追うのではなく、キリスト教信仰を強化する説話文学としての本質を見失わないようにしています。

 紹介ビデオ「金沢と金沢大学」では、四季折々の美しい自然の中で高度に洗練された文化芸術の伝統が今も生きる町金沢の諸相と、伝統を守り、それを破り、新たな創造を目指して発展する「金沢」の都市文化を「守・破・離」(しゅ・は・り)をキーワードにしています。伝統文化を大切に守り、後世に継承する責任を果たそうとする精神が「文化財保存」に対する積極的な活動を生み、そこから真の革新と創造の道が模索されます。それを象徴するのが金沢大学のフレスコ壁画研究センターで、10年来の国際貢献プロジェクトを手がけた実績をもち、多岐にわたる学問ジャンルの垣根を越えて創設された日本における唯一の文理融合型のイタリアの壁画研究拠点として展開している日伊共同プロジェクトの紹介もしています。