日伊教育研究連携事業
国立フィレンツェ修復研究所の修復士からフレスコ壁画の修復技術を伝授

 フレスコ壁画研究センターでは、11月17日〜19日、壁画修復における世界トップレベルのイタリア国立フィレンツェ修復研究所に所属するファブリーツィオ・バンディーニ専任修復士を講師に迎え、壁画修復の実習を実施しました。

 本センターでは、昨年に引き続き国立フィレンツェ修復研究所の修復士を本学に招へいし、フレスコ壁画修復保存最前線の状況に関する講義と、実習指導を3日間にわたって実施、人間社会学域人文学類フィールド文化学及び学校教育学類美術教育学生等30人が受講しました。今回の実習では、イタリアの絵画修復技術の中でも特徴的な補彩法(カラーセクション)の技術を実地に学び、あらためて世界遺産の修復に関わる修復士の高度な技術に感動し、壁画の修復保存に関する理解を深めることができました。



金沢学は、国立フィレンツェ修復研究所と協力し「サンタ・クローチェ教会大礼拝堂における14世紀の壁画修復プロジェクト」を6カ年(2004-10年)で統括・推進したという世界でも例を見ない実績があるほか、同壁画の技法研究と保存対策研究のため、本学の校舎壁面に学生たちが壁画の一画面を原寸大(5mx7m)で復元模写した実績があります。 また、文化財の保存・修復事業は単に「熟練した修復士の手作業」のみによって支えられるのではなく、今や歴史・美術などの文献研究と最先端科学技術の両輪が共同で実践する文理融合の新研究分野によって支えられる部分が大きくなってきています。 本学は、このような文化財保存というグローバルな問題に対応し、国際的研究・教育環境の醸成を図り、最先端で多様なニーズに対応できる文理融合型の視野と思考を持つ高度な専門的人材を養成するための専門的教育活動を実施しています。




関連記事
ランフランキ修復士による講義・実習(2010年11月)の記事へ