|
平成16年度,国立大学は法人となり,大学を取り巻く環境は急速な変化を遂げています。法人化のメリットを活かしつつ,魅力ある大学像を築いていくためには,男女両性がお互いの人権を尊重し合い,一人一人がその個性と能力を十分に発揮できる環境を整備することが必要です。
ご承知のように,平成11年6月に公布・施行された男女共同参画社会基本法は,男女共同参画社会の実現を「21世紀の最重要課題」と位置付け,性別による偏りのない21世紀型社会システムの構築を目指しています。
国立大学協会は,これを受けて「国立大学における男女共同参画を推進するために」と題する報告書を平成12年5月に発表しました。その中で,「日本の大学における女性の進出の著しい遅れにもかかわらず,そのような実態の把握と問題化およびその改善のための努力の面で,これまで十分であったとは言えない。大学全体としての取組が必要である」と指摘し,「2010年度までに女性教員比率を20%にまで高める」という数値目標を掲げました。
さらに政府は,社会のあらゆる分野において,指導的地位に女性が占める割合が,2020年度までに少なくとも30%程度になるよう期待するという目標を掲げています。
本学においても,国立大学協会の指摘に鑑み,平成13年10月に金沢大学男女共同参画推進委員会が設置され,@意識改革の促進,A女子大学院生の進学率の向上,B女性教職員の積極的な登用,C環境・制度の整備等について検討することとし,この間,フォーラムや講演会の実施,ジェンダー関連科目の開講,授乳室の開設など,身近なところから取り組んでまいりました。平成17年7月には,今後の諸施策を検討するための基礎資料とするため,全教職員を対象に「男女共同参画に関するアンケート調査」を実施し,集計結果を平成19年2月にHPに公表,平成20年3月には,集計結果に分析,考察を加えて導き出された「男女共同参画に関する提言書」を作成しHPに公表しました。さらに平成20年度からは,提言書に基づいた具体の行動計画の策定,実施に向けて活動しているところです。また,平成20年度の前半には,附属病院内に病児保育施設を設置する計画が進行中であり,本学の構成員のみならず地域の男女共同参画にも,多少なりとも寄与できれば幸いと考えています。
本学の女性教員比率をみれば,平成8年度で約10%,平成19年度で約14.1%と増加傾向にはあるものの,国立大学協会の数値目標にはまだまだ届かない現状です。各部門等において関連する取組が積極的に行われ,男女共同参画がなお一層推進されるよう期待します。
平成20年5月 国立大学法人金沢大学長 中 村 信 一
|